大幸薬品「クレベリン」消費者庁からの措置命令が“とどめ”…最終赤字は28億円に
傷口に塩を塗られた気分だろう。空間除菌剤「クレベリン」の一部製品が不当表示(優良誤認表示)に当たるとして消費者庁から景品表示法に基づく措置命令を受けた大幸薬品。需要動向を見誤り過剰在庫を抱えて苦悶していたところに「とどめを刺された」(市場関係者)格好だ。
不当表示とされたのはクレベリンの主力製品のうちスプレータイプやスティックタイプなど「置き型」を除く4製品。大幸薬品では「空間に浮遊するウイルス・菌を除去する」と謳ってきたが、こうした効果について消費者庁は「合理的根拠はない」と断じた。
大幸薬品と消費者庁は昨年11月来、クレベリンの効能を巡って攻防戦を繰り広げてきた。同12月には措置命令案の差し止めを求めて大幸側が東京地裁に提訴。これに対して同地裁は今年1月12日、「置き型」については一定の合理的根拠を認めたものの、スプレー型などは根拠不十分として大幸側の主張を退ける決定を下していた(大幸は翌日、東京高裁に即時抗告)。
■ブーム失速に追い打ち