ついに「弱気」相場入り 日米ともにリスクオフで市場は手じまい
一日中、救急車のサイレンが鳴り響く。どこの誰がオミクロン株に感染したのかと不安になる。結婚式・披露宴の招待者は減り、葬儀社を取材すれば、感染回避でお通夜・告別式を身内だけで行う家族葬が増えているという。障害者施設でもクラスターが発生、作業所は閉鎖されたという。日常生活に影響がじわりじわりと浸透している。工場や建設現場などでもクラスターが発生する可能性も大きいだろう。
今後、外出を手控える人がさらに増える。コロナ禍の2020年以降、2年の間に高齢者人口は着実に増加した。国立病院や医大付属病院に行くと、体育館のような広大な待合室にマスクを着用した高齢者が目立つ。座席満杯「3密」である。基礎体力の弱くなった高齢者の不安は大きい。それでも皆、換気のため肌寒い待合室で、受け付けから会計まで数時間も我慢している。
人流、物流の混乱により、供給不足から物価が一段と上昇するリスクも現実味を帯びてきた。今後、「第7波」も起こりうるからだ。
厚生労働省は昨年10月8日、1億2000万回分の新型コロナワクチンの追加供給を22年1月から受けることで、米ファイザーと契約を締結したと発表していたが、子供への接種も始まり、さらなる追加も必要となろう。梶井基次郎の小説「檸檬」で描かれたような「漠たる不安」が社会を覆い始めてきた。