QDレーザ 菅原充社長(1)半導体レーザー技術を駆使した“驚異のメガネ”を開発 

公開日: 更新日:

■小型プロジェクター開発の挫折から生まれる

 実はこのレティッサ、ある開発事業の挫折から生み出された。QDレーザは2006年に創業したが、当初は映像を壁面などに投影する小型プロジェクターを開発しようとしていた。

「開発を進めていくと、画像のギラつき、消費電力の大きさなど、いろいろな問題が出てきました。中でも最大の壁が、“規制”でした」

 技術的にはいくらでも強い光を出せるのだが、安全面からの規制で、光の強さに制約があることがわかったのだ。これでは強みを生かせないと、小型プロジェクター開発からは撤退することとなった。

「何か他に生かせないかと模索する中で見いだしたのが、網膜プロジェクターの開発でした」

 試作品を作り、ある大学の展示会に出展してみると、視覚障害者が通う筑波技術大学の先生から、「学生たちに使わせてやってほしい」という依頼が寄せられた。14年7月、同大学で集まったロービジョンの学生たちに使ってもらうと、「見えます!」と喜びの反応が返ってきた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑