サントリーウエルネス 沖中直人社長(1)高齢者とJリーグを結ぶプロジェクトが共感を呼ぶ

公開日: 更新日:

“推し”の選手を応援して元気に

 ところが、入所者たちは瞬く間に熱心なサポーターになっていく。その効果は想像以上だった。

“推し”の選手を応援することで、トキメキを取り戻すようになった。職員の指導で行う体操では上がらなかった腕が、試合の応援では、「イエーイ」と勢いでグンと上がったという事例もある。

 こうして高齢者たちにワクワク感が生まれ、心身ともに元気になっていったのだ。

 この取り組みは同社のサプリメント事業などとは一線を画し、社会貢献活動として推進している。

 同社は、健康でありたいと願う多くの顧客に健康食品を提供してきた。しかし、人生100年時代を迎えると、病気と無縁ではいられなくなる。

「そうなると、体に不具合を抱えるようになっても、いかに心がワクワクして自分らしく生きられるかということが大切になってくるのではないか」と、沖中は思った。

健康寿命から幸福寿命という考え方に広げて、予防から共生という領域まで、われわれの企業活動を広げていく必要があると思っているのです」

 その一環として始めた「Be supporters!」は多くの共感を呼び、3年近く経った現在では、サポーター数は全国160施設、延べ約6000人、参加するJリーグクラブは20チームに膨れ上がっている。 =つづく

(ジャーナリスト・林美保子) 

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々