オシャレで財布に優しい? 床面積10平方メートル以下「狭小賃貸」の落とし穴

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「今の40代や50代が20代のときの単身者向けは17平方メートル程度がスタンダードでしたが、現在では20~27平方メートルが基本です。それらに比べて、10平方メートル以下の部屋からなる集合住宅の場合、1棟当たりの設備、特に水回り関係の数量が多くなるので、坪当たりの建築単価は上がります」(不動産アナリスト・長谷川高氏)

 狭小賃貸は初期投資がかかるが、賃料の値ごろ感に対して坪当たりの賃料が割高なため大家側のメリットは大きい。

「例えば、中目黒で10平方メートルの家賃が8万円の場合、坪当たりの賃料は2.6万円ほど。同じエリアの70平方メートル(約21坪)の坪賃料が同じと仮定した場合、月の家賃が55万円になりますが、この金額は現実的ではありません。ですので、狭小のほうが投資利回りが高くなるのです」と、前出の長谷川氏はこう続ける。

「増加傾向のデザイナーズ狭小賃貸は、その人気から徐々に供給量が増えていったシェアハウス市場と同様に、将来、需給バランスが崩れて賃料が低下する可能性があります。現在、利回りが低下しているシェアハウスの二の舞いにならないとは限らないでしょう」

 閉所恐怖症でなければ、住まいとしてアリだが、不動産投資家は注意が必要のようだ。

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