オシャレで財布に優しい? 床面積10平方メートル以下「狭小賃貸」の落とし穴

公開日: 更新日:

「今の40代や50代が20代のときの単身者向けは17平方メートル程度がスタンダードでしたが、現在では20~27平方メートルが基本です。それらに比べて、10平方メートル以下の部屋からなる集合住宅の場合、1棟当たりの設備、特に水回り関係の数量が多くなるので、坪当たりの建築単価は上がります」(不動産アナリスト・長谷川高氏)

 狭小賃貸は初期投資がかかるが、賃料の値ごろ感に対して坪当たりの賃料が割高なため大家側のメリットは大きい。

「例えば、中目黒で10平方メートルの家賃が8万円の場合、坪当たりの賃料は2.6万円ほど。同じエリアの70平方メートル(約21坪)の坪賃料が同じと仮定した場合、月の家賃が55万円になりますが、この金額は現実的ではありません。ですので、狭小のほうが投資利回りが高くなるのです」と、前出の長谷川氏はこう続ける。

「増加傾向のデザイナーズ狭小賃貸は、その人気から徐々に供給量が増えていったシェアハウス市場と同様に、将来、需給バランスが崩れて賃料が低下する可能性があります。現在、利回りが低下しているシェアハウスの二の舞いにならないとは限らないでしょう」

 閉所恐怖症でなければ、住まいとしてアリだが、不動産投資家は注意が必要のようだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大阪万博批判は出尽くした感があるが…即刻中止すべき決定版が出た

    大阪万博批判は出尽くした感があるが…即刻中止すべき決定版が出た

  2. 2
    「銀河英雄伝説」大ヒットの田中芳樹さんは71歳 執筆47年で120~130冊…どのくらい稼いだの?

    「銀河英雄伝説」大ヒットの田中芳樹さんは71歳 執筆47年で120~130冊…どのくらい稼いだの?

  3. 3
    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  4. 4
    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

  5. 5
    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚

    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚会員限定記事

  1. 6
    まともに相撲が取れない貴景勝いまだ現役の裏に「親方株問題」 3場所連続休場で9度目カド番確定

    まともに相撲が取れない貴景勝いまだ現役の裏に「親方株問題」 3場所連続休場で9度目カド番確定

  2. 7
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8
    つばさの党代表が公選法違反で逮捕 温和だった黒川敦彦容疑者はなぜ“キャラ変”したのか

    つばさの党代表が公選法違反で逮捕 温和だった黒川敦彦容疑者はなぜ“キャラ変”したのか

  4. 9
    頑なに「高卒で米挑戦」…まともに会話すらなかった大谷が翻意、日本ハムに入団決めた舞台裏

    頑なに「高卒で米挑戦」…まともに会話すらなかった大谷が翻意、日本ハムに入団決めた舞台裏

  5. 10
    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル