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宮田律現代イスラム研究センター理事長

1955年、山梨県甲府市生まれ。83年、慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻修了。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程修了。専門は現代イスラム政治、イラン政治史。「イラン~世界の火薬庫」(光文社新書)、「物語 イランの歴史」(中公新書)、「イラン革命防衛隊」(武田ランダムハウスジャパン)などの著書がある。近著に「黒い同盟 米国、サウジアラビア、イスラエル: 「反イラン枢軸」の暗部」(平凡社新書)。

カルロス・ゴーン氏に迫るフランス当局の"包囲網" ヒズボラとイスラエル間で高まる緊張が影響

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 日本政府はレバノン政府にゴーン元会長の身柄の引き渡しを再三要求してきたが、レバノン政府がこれに応じることはなかった。2020年7月に日本の拘留生活から逃れたゴーン被告は「日本にいるより1000倍よい」とレバノンでの自由な生活を評価したこともある。

 ゴーン元会長がレバノンに逃亡すると、レバノンの映画制作者で活動家のルシアン・ブルジェイリー氏はツイッターで「ゴーン被告は日本の不当な司法制度から逃れたというが、毎年数十億ドルの公金が横領されているのに一人の政治家も逮捕・拘禁されたことがないレバノンの快適で、『有効』な司法制度の下に逃れてきた」と述べた。レバノン政府がゴーン元会長を日本に引き渡さなかったのは、日本との間に犯罪人引渡し制度がないということもあるが、ブルジェイリー氏が指摘するようなレバノンの政治腐敗も背景にあるだろう。レバノン政府関係者たちがゴーン元会長の身柄を日本に引き渡さない代わりに、何らかの金銭的見返りを得てきたことは十分考えられる。レバノンに限らず政治腐敗はアラブ諸国の「政治風土」でもあり、だからこそ腐敗した政治指導者たちに反発し、政治や社会の民主化を求める「アラブの春」の運動が2011年に起きた。

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