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中西文行「ロータス投資研究所」代表

法政大学卒業後、岡三証券入社。システム開発部などを経て、岡三経済研究所チャーチスト、企業アナリスト業務に従事。岡三インターナショナル出向。東京大学先端技術研究所社会人聴講生、インド政府ITプロジェクト委員。SMBCフレンド証券投資情報部長を経て13年に独立。現在は「ロータス投資研究所」代表。

いまの日本は“複合物価上昇”…「良い物価上昇」と「悪い物価上昇」が入り交じる

公開日: 更新日:

■夏ボーナスは好調だが…

 さて、日本経済新聞社がまとめた2024年夏のボーナス調査(23年夏と比較できる151社を対象=中間集計)は、平均支給額(加重平均)が前年比6.92%増の90万7772円と3年連続で前年を上回った。

 支給額1位は641万8800円の三菱商事だ。同社の有価証券報告書によれば23年3月期の平均年収(平均年齢42.9歳)は1939万円。株価も過去最高値を更新と、三菱商事など総合商社に投資したウォーレン・バフェットに脱帽である。

 国税庁によれば22年分(23年9月公表)の平均給与は458万円で、男性563万円、女性314万円だった。

 収入による「勝ち組」「負け組」が生まれ、非正規雇用はアルバイトやパートタイムなどに細分化。労働組合の力は弱まり、広義で見れば労働者主導の賃上げ圧力は減退し物価上昇に賃金が追いつかない時代となった。

 一般に「大企業」への親の期待は大きい。親の教育費負担は小中高公立校の教育費無償化で軽減されたが、この夏のボーナス報道を受けて、一流企業に就職しやすい有名進学校への受験戦争は激化しそうだ。

 無償化で浮いたお金は学習塾や予備校などに充当されるだろう。こうした業界は無償化に加え、英語学習の低年齢化の追い風が吹いていよう。

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