マンション所有者の無知につけこみ積立金狙う…大規模修繕工事や管理会社の闇

公開日: 更新日:

「中規模以上の200戸、300戸クラスのマンションになると工事金額が大きくなるため、建設会社は積極的になります。マンションも住民も高齢化し、必ずしも建築工事に明るくない管理組合が厳正に工事会社を選定するのは難しいかもしれません。談合や利害関係者の誘導をどうやって回避するのかは難しい問題です」(不動産アナリスト・長谷川高氏)

 管理組合の理事長を買収したり、コンサルタントを介して相場より高い金額で受注させるほか、実際に工事会社が住戸を購入して管理組合に正式に入り込んで、自社に有利な議論を誘導する行為も指摘されている。

 少なくない築古マンションなどで修繕積立金が足りなくなる現象が明らかになる中、業者の違法行為で打撃を被るのは住民側だ。だが、それを防ぐのは容易ではない。

「工事金額が大きくなれば、さまざまな建設会社が工事を受注したくなります。一方、建築費が高騰し、新築マンションの着工件数が減少する中で増えているのが大規模修繕工事です。そこで重要なのが、管理組合にアドバイスする立場の管理会社のコンプライアンスがまともかどうか。管理組合に寄り添って適正な工事会社を一緒に選んでくれるのか。談合の結果の見積もりが出てこないように見張れるのか。つまり、信用できるパートナーか否かが重要です」(長谷川高氏)

 住民側はハナから疑ってかかるしか被害を防ぐ方法はないのかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  3. 3

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  4. 4

    浜田省吾の父親が「生き地獄」の広島に向ったA.A.B.から80年

  5. 5

    山尾志桜里氏は出馬会見翌日に公認取り消し…今井絵理子、生稲晃子…“芸能界出身”女性政治家の醜聞と凄まじい嫌われぶり

  1. 6

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  2. 7

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  4. 9

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 10

    フジ親会社・金光修前社長の呆れた二枚舌…会長職辞退も「有酬アドバイザー」就任の不可解