EVシフトの背景には景気悪化も深く関係しているという。前出のM&A関係者は次のように分析する。
「当初、日系企業の中国撤退は政治的な理由が主だったが、近年では採算が取れないことが理由で撤退する企業が増えた。不動産バブルの崩壊や経済成長の鈍化が要因だ。現地製品のシェア拡大や、EVのような代替品の台頭は、購買力の低下を表している」
日系企業は2000年以降、10億人超の巨大な市場を目当てに中国への進出を強化した。だが、現地の景気悪化を前に、そのもくろみは今、崩れようとしている。
(ライター・山口伸)