春闘では大手企業の「満額回答」が相次いでいるが…中東情勢緊迫化の影響は?
■下請法改正も中小企業の業績回復に追い風
企業側は物価高や人手不足から大幅な賃上げをせざるを得ない状況にあるが、大手と中小企業の組合の賃金格差の是正が今年も大きな課題だ。先の荒川氏が続ける。
「連合は5.94%と高水準の賃上げ実現を目指し、組合員300人未満の中小組合も6.64%と昨年を上回る要求を出している。課題だった価格転嫁は時間と共に徐々に浸透し、また下請法の改正も中小企業の業績回復に追い風になるはずです」
今年の1月1日に改正施行された中小受託取引適正化法は取引の適正化を目指し、規制対象の拡大や禁止行為を追加、受注者への負担を押し付ける商習慣の是正が目的だ。
厚生労働省の毎月勤労統計調査(1月分)によると、現金給与総額(名目賃金)は30万1314円と前年同期比で3%増え49カ月連続で増加した。一方、物価の上昇は1.7%に抑えられたことから物価の上昇を反映した実質賃金は13カ月ぶりにプラスに転じた。伸び率で前年同月比1.4%増えた。昨年の高水準の賃上げと物価の抑制、とくにガソリンの暫定税率の廃止による食料品の価格上昇が抑えられたことが大きく影響した結果だ。
だが、中東情勢の緊迫化からすでに原油価格は高騰を始めている。今後の日本経済への先行き、直近の春闘への影響が懸念される。
(ジャーナリスト・木野活明)



















