都議選前哨戦で「ひとり勝ち」の国民民主党にアプローチ…“緑のタヌキ”小池都知事の皮算用

公開日: 更新日:

 26日投開票の北九州市議選の結果が、政界をザワつかせている。6月の都議選、7月の参院選の前哨戦に位置づけられたが、既存政党で議席を増やしたのは国民民主党だけ。擁立2候補が共に選挙区でトップ当選し、改選前の1議席を2に増やした。自公両党は勢力を維持。国政野党の立憲民主党日本維新の会共産党はそれぞれ1議席減だった。

 国民民主の「ひとり勝ち」を見越してか、すでに蠢いていたのが東京都の“女帝”小池百合子知事だ。24日に国民民主の玉木雄一郎代表(役職停止中)と面会。直後の会見で「夏に向かって、いろいろな連携も図りながら、より国民、都民にとって良い方向がつくれれば」とうれしそうに語っていた。都議選を意識して、人気者の玉木氏に秋波を送ったのは明らかだ。

 一方、その3日前には官邸で石破首相とも面会した。都議会自民の裏金が発覚しているだけに、報道陣に「裏金の話をしたのか」と問われたが、小池知事は「していない」と否定。しかし「この夏は大変だよねということで意識を共有した」と意味深発言を展開した。

 都議選と参院選が重なるのは12年に1度。12年前の都議選では、自民は擁立候補が全て当選したが、当時は自民の広報本部長だった小池氏はその時の体験を「大変だった」と振り返った。

「小池さんは都議選を見据えて2人と会ったのでしょう。国民民主は現状、都議会に議席はありませんが、今回は複数選挙区で候補を擁立する予定。議席を得るのは間違いない。小池さんは玉木代表とも関係が密なため、知事与党になってもらおうと秋波を送ったわけです。一方、自民は裏金事件のあおりで落選者が続出しかねない。『石破さん、大変ね』と距離をとった格好です」(都政関係者)

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    自維連立に透ける実現不能の“空手形”…維新が「絶対条件」と拘る議員定数削減にもウラがある

  2. 2

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  3. 3

    高市自維政権で進む病人・弱者切り捨て…医療費削減ありき「病床11万床潰し」すでに3党合意の非情

  4. 4

    高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「維新連立入り」観測に焦りまくり…“男の嫉妬”が見苦しすぎる

  1. 6

    「連合」が自民との連立は認めず…国民民主党・玉木代表に残された「次の一手」

  2. 7

    維新の「議員定数1割削減」に潜む欺瞞…連立入りの絶対条件は“焼け太り”狙った露骨な党利党略

  3. 8

    打算だらけの自維連立…維新が突きつけた「企業・団体献金禁止」はやはりウヤムヤ? 怪しい本気度

  4. 9

    国民民主から維新に乗り換えた高市自民が「政治の安定」を掲げて「数合わせヤドカリ連立」を急ぐワケ

  5. 10

    公明票消失で自民衆院「東京選挙区」が全滅危機…「萩生田だけは勘弁ならねぇ」の遺恨消えず

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  3. 3

    高市自維政権で進む病人・弱者切り捨て…医療費削減ありき「病床11万床潰し」すでに3党合意の非情

  4. 4

    創価学会OB長井秀和氏が語る公明党 「政権離脱」のウラと学会芸能人チーム「芸術部」の今後

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  2. 7

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ

  5. 10

    まだ無名の「アマNo.1サウスポー」評価爆上がり!23日ドラフト「外れ1位」なら大争奪戦も…