高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

公開日: 更新日:

「デフレを脱却したとは言えない」──11日の衆院予算委員会でそう答弁したのは高市首相だ。「足元の物価動向を見るとデフレの状況にはない」と言いながらも、賃金上昇の持続性などを総合的に考慮した慎重な判断が必要なことから「日本経済が再びデフレに戻る見込みがないという状況には至っていない」と続けた。何を今さらの現状認識である。

 厚労省の毎月勤労統計調査によると、名目賃金にあたる現金給与総額(1人当たり)は45カ月連続で前年同月比プラスだが、消費者物価指数も上昇続き。2022年4月から42カ月連続で日銀の目標である前年同月比2%を上回る。給与の伸び幅が物価上昇に延々と追いつかず、実質賃金はマイナスにへばりついたままだ。

 ゆえに庶民生活は苦しいわけで、賃金上昇を相殺するインフレ退治が最重要課題だ。日銀も現下の日本経済を「インフレ状態」と説明。そもそも、11日の予算委の議題のひとつは物価高対策だった。庶民の窮状を尻目に「デフレ脱却宣言を目指す」と息巻く高市首相の姿にはもう、呆れるしかない。

 トップがこのトチ狂った認識だからだろう。報道を見る限り、高市政権の物価高対策はスカスカ。目新しいアイデアは何ひとつ出てこない。「借り物」と「二番煎じ」のオンパレードだ。

 早期実施を目指す施策に①1人2万~4万円の所得減税②ガソリンの暫定税率の廃止までの補助金──を挙げるが、①は昨年末に自民・公明・国民民主3党で合意した「年収の壁」引き上げに伴う措置だ。②は野党が推し進め、衆院に続き参院も少数与党に転落した自民が譲歩を迫られたシロモノである。

 来年1~3月に再開させる電気・ガス料金の補助は言うに及ばず。自治体で使いみちを決める23年度創設の「重点支援地方交付金」を拡充。「プレミアム商品券」や「おこめ券」の発行を推奨するバラマキ策も、参院選で民意に否定された「2万円給付」の焼き直しだ。現金を金券に差し替えたに過ぎない。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手