【存在しない外国人問題】ヘイトまみれだった葛飾区議選…問題候補が2人も当選してしまった
真偽はさておき、とりわけ中国人を侵略目的で在留する謀略集団のように扱う物言いだ。応援弁士の保守活動家・西村修平が「差別するぞ~」と拳を振り上げていた。外国人に対するヘイトスピーチを繰り返す有名活動家などが日替わりで鈴木を応援。昨年の衆院東京15区補選をめぐり、公選法違反(選挙の自由妨害)の罪で起訴された黒川敦彦の姿もあった。河合は鈴木・丸吉両陣営の応援に入った。
菅野同様に「葛飾の外国人問題」を訴えた丸吉にも何が問題かを尋ねた。
「葛飾には600軒以上の民泊施設がある。災害時に外国人が避難所に押し寄せたら、言葉が通じないじゃないか」
そう答えた丸吉はすぐさまカウンターに取り囲まれた。「避難所の多言語対応を準備すればいいだけ」「それをおまえの政策にしよう」とはやし立てられ、動画を撮影された丸吉は泣き顔で「テキトーな切り抜きするなよぅ」。結果、丸吉は落選したものの、菅野は何とトップ当選。鈴木は3位当選で返り咲いた。しかし、葛飾に特段の「外国人問題」があるわけではない。2位で6選した無所属の小林ひとしは選挙中、こう語った。
「外国人問題が何を指しているか分からない。区議会で話題に上ったことがあるのは民泊のゴミ出しマナーの問題くらい」
「存在しない問題」を振りかざした候補が2人も当選したことになる。 (敬称略=つづく)



















