少ない予算を育成に 渡部暁「銀」の陰にスキー界の臥薪嘗胆

公開日: 更新日:

「近年ノルディック複合の予算は減り続け、今や長野五輪の約半分。スポンサーもつきづらい種目ということもあって、94年リレハンメルから20年間メダルなし。予算縮小の影響が大きい。それでも少ない予算をジュニアの育成に回してきたことが渡部の銀につながったのです」(あるスキー指導者)

 ちなみにスケート連盟の25年度収支予算書を見ると、特別事業収益だけで約21.23億円、スキー連盟の事業活動収入は計約7.5億円。両団体の資金力の違いがわかる。

 旧ユーゴのナショナルスキーチームのコーチとして88年カルガリー五輪に帯同した経験のある平山昌弘氏がこういう。

「ノルディック複合は、瞬発力が求められる前半のジャンプと持久力が問われる後半のクロスカントリーがある。2つの競技に必要な能力は相反するもの。奥深い競技なのです。だから、ノルディックの本場である北欧では複合の勝者を『キング・オブ・スキー』と称える。日本はメディア受けする派手な種目ばかりが注目される。フィギュアはスポンサーもつくから金にもなる。今の日本はスキーファンや競技人口が急速に減っている。渡部の銀メダルの価値がわかる人が少ないことは残念です」

 ソチ五輪日本代表の選手団団長は橋本聖子スケート連盟会長だが、はたして。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

  2. 2
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  3. 3
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  4. 4
    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

  5. 5
    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  3. 8
    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

  4. 9
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 10
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”