元セレソンJリーガーが見たザックジャパン(2) ジーニョ
■サントスから有望若手選手が育つ理由
サントスFCは、ブラジル代表の「背番号10」ネイマールを生み出したクラブだ。過去には“王様”ペレもいた。キング・カズこと三浦知良も所属していたことがある。サントスFCの下部組織は、ブラジルの中でも優秀な選手を育成することで知られている。
その下部組織で育ったネイマールは17歳でトップデビュー。MFガンソたちと共に「メニーノス・ダ・ビーリャ」と呼ばれた。直訳すれば、「街のガキども」となる。若きネイマールたちはブラジルのサッカー界を席巻。11年、南米クラブ王を決めるリベルタドーレス杯に優勝し、日本で開催されたクラブW杯に出場した記憶も新しい。
ジーニョは、サントスから有能な若手選手が次々に生まれるのは「トップチームの監督やコーチたちが、若い選手を起用することに躊躇しないから」と考えている。
「大切なのはクオリティーが高いかだ。年齢が若いとか、年を取っているとか、それは関係ない」
しかしながら、若手選手にはもろい面がある。今年のサンパウロ州選手権でも「勝負どころで敗れてしまった」と嘆いた。「どこの国でもマスコミやサポーターは我慢強くない。すぐに結果を求める。いい選手はたくさん出てくるが、経験を積ませながら育てるのは、本当に難しいんだ」