元セレソンJリーガーが見たザックジャパン(2) ジーニョ
■コロンビア戦は「個人技」対「規律」の闘いだ
MFジーニョにとってW杯に出場することは、子どもの頃からの大きな目標だった。
「W杯が始まり、ブラジル代表の試合になると町の動きが止まる。宗教も社会もすべてだ。ブラジルにとってサッカーは一番のスポーツだ。サッカーはブラジル人の情熱なんだ。どの代表もW杯に向けて最大の努力、集中をしてくるんだ。まさに特別な大会なんだよ」
ジーニョは、その夢を94年米国W杯優勝という最高の形で実現させた。今回はそのW杯が自国で開催される。ジーニョに日本代表は「どれほどの成績が残せるか?」と尋ねてみると……。
「日本はコロンビア、ギリシャ、コートジボワールと同じ組だよね。このグループは他と違って飛び抜けた国がない。技術面、戦術面、フィジカル面のどれをとっても日本に突破する力はある。今では日本サッカーは、ボクがプレーしていた時代とは違う。一緒にプレーしていたヤマグチがW杯を経験し、今ではJリーグ監督になっているんだから」
そう言いながら、ジーニョは笑った。ヤマグチとは現在、横浜FCの監督を務める山口素弘(元日本代表MF)のことだ。