著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

箱根駅伝の「山の神」とはガミガミうるさい監督のことじゃないのか?

公開日: 更新日:

 ばんえい競馬を悪く言うつもりはないが、重い荷を引かせて後ろから鞭でひっぱたくのが馬によいとは思えぬ。西欧の競馬ではムチャな鞭入れは虐待と判定される。人間相手に、たとえ言葉でも「男かおまえ!」はなかろう。有馬記念は“女馬”が勝ったのだ。悔しかったら男の五輪金メダリストを育ててみろ、監督ども!

 その山登り5区の主役は青学3年生、神野大地。驚異的な区間記録に「新・山の神の神野!」と実況は絶叫した。

 そもそもは07年、順天堂大学往路優勝の瞬間に日本テレビのアナウンサーが「今、山の神、ここに降臨。その名は今井正人!」と叫んだのが最初。今井以来、区間記録を更新するたびに山の神は代替わりし、2代目は東洋大の柏原竜二、今年、青学の神野は3代目「ヤマノカミノカミノ!」。来年、区間記録を更新すりゃ実況アナ「フタタビヤマノカミノカミノに初代ヤマノカミイマイも2代目ヤマノカミカシワバラも3代目ヤマノカミノカミノに神を見たのか!」と絶叫して舌を噛み~のしてばちが当たる前に、神に祭り上げられた選手の重圧も考えてやれ。

 もっともそもそも「山の神」とは「山におわす神」。山の神は機嫌を損ねると猛吹雪で人を震え上がらせる。転じて機嫌を損ねたガミガミ女房を「山の神」と男どもは恐れた。

 はっはっは、その伝でいけば後ろからガミガミ怒鳴って鞭を入れる駅伝監督こそ「山の神」ではないか。

 レースは選手、スタッフに任せ、監督は詰め所でテレビ見てるがいい。選手の自主性とはそういうことじゃないのか?

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    秋季関東大会で横浜高と再戦浮上、27連勝を止めた「今春の1勝」は半年を経てどう作用するか

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    公明票消失で自民衆院「東京選挙区」が全滅危機…「萩生田だけは勘弁ならねぇ」の遺恨消えず

  4. 4

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  5. 5

    「自維連立政権」爆誕へ吉村代表は前のめりも、早くも漂う崩壊の兆し…進次郎推しから“宗旨変え”

  1. 6

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 7

    国民民主党・玉木代表「維新連立入り」観測に焦りまくり…“男の嫉妬”が見苦しすぎる

  3. 8

    自民「聞いてないよォ」、国民・玉木氏「どうぞどうぞ」…首相指名の行方はダチョウ倶楽部のコント芸の様相

  4. 9

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  5. 10

    「ガルベスと牛乳で仲直りしよう」…大豊泰昭さんの提案を断固拒否してそれっきり