著者のコラム一覧
渡辺勘郎ノンフィクションライター

59年8月、東京都墨田区生まれ。中大法学部卒業後、週刊文春編集部を経て独立。フリージャーナリストとして、野球を中心に著書多数。

「今の子どもはわがままだね。人間性、それが一番大事なんだけど」

公開日: 更新日:

「今の子供はわがまま。まず、昔の人は何でも食べたけど、今の子供は好き嫌いが多過ぎる。『僕、果物嫌いです。食べられません』とかね。私たちの頃、何食べる? って聞かれたら『肉!』だったけど、今の子供は『寿司』とか言う子が多い。力、出ないよ(笑い)。

 だから、部屋で食事のときは毎日、ずっと横に座って、弟子が食べるのを見てる。ちゃんと見てないと食べるフリして残して、夜、コンビニに行ったりするから。そうやって見てても夜になると、いつもだいたい同じ人がコンビニ行ってるよ。体を見てれば分かるんだ、それは。ちゃんと部屋で腹いっぱい食べてる子はいい体になってくから。我慢できる人とできない人がいるけど、今は、我慢できない子が多い。

『ケガしない体をつくっていけ』と言ってるんだけど、その伝え方として、『できない』とは言わない。『できる』と言わないと辞めちゃうから。最初からできる人はいないんだから『やれば、できるようになるんだよ』という言い方をする。コミュニケーションを取らないとダメなんだ」

 先代は「稽古場では一日に一言二言、それも聞こえるか聞こえないか、という感じだった」というから、コミュニケーションの取り方は対照的だ。そうでなければ今の弟子は辞めてしまうという現実を受け入れる柔軟さが今の相撲部屋経営には必要なのだろう。あすも、昨今の弟子事情について聞く。(つづく)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」