女子モーグル世界銀メダリストに立ちはだかる“2年の壁”
日本のモーグル女王が満を持してゲレンデに戻ってきた。
右膝の重傷でソチ五輪を欠場した伊藤みき(28)が24日、12月12日に開幕するW杯フィンランド大会出場に向け渡欧。3季ぶりの国際大会を前に「できるトレーニングはやってきた。早く滑りたい気持ちと、しっかり準備したい気持ちがある」と明るい表情で話した。
13年12月にフィンランドでの練習中に右膝十字靱帯を損傷。ソチ五輪では痛みを押して現地に入ったが、練習中に悪化して欠場を余儀なくされた。その後、患部の再建手術を受けて、リハビリのため2シーズンを棒に振った。13年の世界選手権銀メダリストだけに完全復活を期待されるが、先行きは不透明だ。
スキー関係者によれば、雪上競技で2年間も実戦を離れたブランクを取り戻すのは至難の業だそうだ。実戦感覚が鈍ってターンなどに狂いが生じるだけでなく、コブの上を滑る恐怖心を拭いきれない選手は少なくないという。
伊藤は「時間をたっぷり使って、焦らずつくっていきたい」と話すが、18年平昌五輪に間に合うのか。