逃げ場なき“剣闘” 車いすフェンシング加納慎太郎の挑戦

公開日: 更新日:

 2020年に行われる東京五輪・パラリンピックまであと約4年。その大舞台に向け、傷だらけになりながら練習に励んでいる障がい者アスリートがいる。車いすフェンシング日本代表候補の加納慎太郎(31)さんだ。

 この競技は通常のフェンシングとは異なり、特別な台座(ピスト)に車いすを固定して行う。日本での認知度は低く、競技人口も全国に僅か30人ほどしかいない。

「私が始めた3年前は競技人口がたった2人で。その時に比べれば少しずつ広まってきてますね」

 笑顔で語る加納さんだが、この競技を始めるまでには苦悩と葛藤の日々があった。

 16歳の時にバイクの単独事故で転倒。一命は取り留めたものの、片足を失い義足の生活を余儀なくされた。何日も涙が止まらなかった。

「それまで普通の高校生だったのに、一瞬で『障がい者』ですから。事故後2年くらいリハビリを含めて入院しましたが、どうしても自分の中で受け入れられなかった。だからパラリンピックにも興味がなく、障がい者としてスポーツをやりたいとも思わなかったのです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗