東京五輪メダルが重圧に 日本でアスリート犯罪続出の恐れ

公開日: 更新日:

 時代は動いていると感じた――。

 カヌーの鈴木康大(32)による禁止薬物混入事件。柔道男子日本代表の井上康生監督は事件を受け、「現役時代には思いもつかなかった、非常に怖い問題」と話し、冒頭のように続けた。他者を陥れるための薬物使用は日本初。ついに、日本もここまできてしまった。

「地元開催の五輪に何とか出たい思いがあった」

 鈴木は動機についてこう語ったという。地元開催の東京五輪まであと2年。予算は総額1兆3000億円を超える。

 2015年、テレビ番組で遠藤五輪担当相(当時)が「金メダルは30個、合計メダルはリオ五輪の倍の80個」と目標を掲げると、「このくらいいかないと、目標の(世界)第3位に入らない」と付け加えた。小池都知事は今月4日の仕事始めで、「今年は平昌五輪など世界的なスポーツイヤー。この盛り上がりを2020年東京五輪・パラリンピックにつなげられるよう、国などと連携を強化する」と挨拶。“五輪ファースト”はエスカレートする一方だ。


「徹底したメダル至上主義は選手の存在価値を否定していることになる」と憤るのはスポーツジャーナリストの谷口源太郎氏だ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?