平昌の熱狂で加速 東京五輪「メダル量産」ムードへの不安

公開日: 更新日:

 くしくも平昌五輪の閉会式が行われたこの日の午前、東京五輪とほぼ同じコースを走る東京マラソンで、設楽悠太(26)が2時間6分11秒の日本記録で2位に入った。16年ぶりの記録更新に陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(61)は「16年ぶりですから、こんなにおめでたい話はない。一気に東京五輪に弾みがついた。この記録をみんなが目標にする」と喜んだ。

 陸上ジャーナリストの菅原勲氏は「記録を更新した設楽はよくやりましたが、国内マラソンの歴史は16年前に戻っただけ」と言ってこう続ける。

「16年間も日本記録が破られないうちに、アフリカ勢は高速コースで2時間4分、3分、2分台とどんどん記録を伸ばしてきた。2時間6分台で大騒ぎしているのは時代遅れです。その新記録も、風のない気象条件以上に、好記録を出させるためのペースメーカーや昨年から終盤の急坂をなくした高速コースの恩恵です。井上大仁(25)も2時間6分54秒を記録し、2時間8分台の日本選手も4人いましたから。五輪のマラソンで上位争いを目標とするなら問題はここから。本番まで2年半の間に、陸連がどれだけ効果的な強化策を打ち出せるかです」

 陸連は東京五輪のメダルが有望な種目に多くの予算を配分している。マラソン強化の瀬古リーダーも今後、鼻息が荒くなるに違いない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性