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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

全仏優勝候補ナダルにあって錦織にない“技術以外”のモノ

公開日: 更新日:

 テニスのグランドスラム第2弾、全仏オープンが27日から始まる。4大大会でこの大会だけ日曜に開幕する15日間は、風薫るパリのハイシーズンを華やかに彩る。テニス専門誌で見どころを書いているが、書き出しは毎年同じように「やっパリ、ナダル!」――ラファエル・ナダルは今年も鉄板の本命だ。

 大会中に32歳の誕生日を迎えるナダルは、これまで13回出場して優勝が10度、通算79勝2敗で勝率は98%(一昨年は3回戦棄権)。しかも、今年は3年ぶりにタイトルを奪還した昨年より強さが増した。

 ナダルといえばタンクトップからむきだした筋骨隆々の強烈なフォアが武器だった。今季はバックハンドを攻撃的に使ってネットをうかがう戦術も加え、一球入魂のスタイルには年齢的限界があるとみていたコートサイドを驚かせている。常に努力、衰えないメンタリティーの源は何か。

 ナダルはスペインのマジョルカ島出身で、普通なら本土のバルセロナやバレンシアに拠点を移すところを、一貫して郷里を離れなかった。それどころか一昨年、故郷にテニスアカデミーを開校。26面のコートにプール、サッカー場、寮にアメリカンスクール、ミュージアム完備の大規模な施設は地元に140人の雇用をもたらしている。

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