著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

ジョコビッチ完全復活 錦織との差は「チーム戦略」にあり

公開日: 更新日:

 今年のウィンブルドンは例年にない好天続きだった。暑いといっても東京と違い、日差しはきついが湿度は低い。この気候が芝にも影響し、選手間では「芝が長い」(球速が遅い)、「下が固い」(バウンドが高い)という声が聞かれた。多様なサーブを打ち、ストローク戦に強いフェデラー、ジョコビッチ、錦織、準優勝のケビン・アンダーソン、あるいはナダルには有利だっただろう。だが、勝負はやはり精神力だ。

 ジョコビッチの優勝には驚いた。ひじの故障で1年余り低迷し、2月に手術を決断し、復帰後は連続の1回戦負け。復帰の最大の難しさは自信回復で、ライン際への勝負球を打ち切れず、中に返せば叩き込まれる。テニスの場合、ウイナーもエラーも同じ1ポイントだから、実戦復帰は恐怖との闘いになる。

 今回のジョコビッチはなりふり構わぬ戦いぶりだった。

 ジャッジに抗議し、観客を敵に回し、記者会見でも不満をあらわにしてセンターコートをゲット。フェデラーが1番コートに回され、そこで撃沈した。がむしゃらな姿勢はナンバーワンの意地だけでなく、確たる戦略でもあったのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  3. 3

    佳子さま31歳の誕生日直前に飛び出した“婚約報道” 結婚を巡る「葛藤」の中身

  4. 4

    国分太一「人権救済申し立て」“却下”でテレビ復帰は絶望的に…「松岡のちゃんねる」に一縷の望みも険しすぎる今後

  5. 5

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  1. 6

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  2. 7

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  3. 8

    清原和博 夜の「ご乱行」3連発(00年~05年)…キャンプ中の夜遊び、女遊び、無断外泊は恒例行事だった

  4. 9

    「嵐」紅白出演ナシ&“解散ライブに暗雲”でもビクともしない「余裕のメンバー」はこの人だ!

  5. 10

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢