宮崎に行った部長は選手の性格や人間性をチェックしている

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 実力はドラフト1位クラスながら、U18日本代表の中に入って関西弁の選手相手に気後れしないか、ナインの輪にすんなり溶け込めるか。宮崎に行った部長は「技術的な部分は甲子園でだいたい把握できてる。知りたいのは性格、人間性、それにアタマだな」って話してたけど、テレビで見てたら、野手に守備位置を指示してるし、都内の合宿でも積極的に大阪桐蔭の根尾や藤原に話し掛け、自分から何とかポーズをやってみせたりしてた。部長もおそらく、技術面以外の部分に二重丸を付けてると思う。

 宮崎のうまいものを食えなかった腹いせもあって、試合のない日の夕食時を狙って部長のケータイを鳴らしてみた。吉田の性格はどうですか? ってね。案の定、口をもぐもぐさせながら、待ってましたとばかりに返してくれたよ。

「吉田は気後れするどころか、他の選手の中にどんどん入っていってるゾ。東北以外の地域の選手で物おじしてるのも中にはいたけどな。それより大阪桐蔭の選手ってのは、やっぱり違うな」って、こう続けた。

「試合前のティー打撃ひとつとっても、根尾や藤原は漫然とバットを振ってない。一球一球、目的意識をもってスイングしてるのが分かる。日本代表の中に入って恥はかきたくないと緊張してるのが多いのに、足りないと思えばもっと打ちたいとリクエストする。U18に出たことくらいじゃ満足しない。あくまでプロで結果を出すのが目標って態度だ。じゃ、地鶏が冷めちゃうから切るな」

 ああ、オレも宮崎で地鶏食いたかったなぁ。

(プロ野球覆面スカウト)

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