全仏OP日没順延 錦織が4大大会で勝てない“データと根拠”

公開日: 更新日:

■5セットマッチ勝率は「数字遊び」

 加えて精神面の問題もある。現地で取材するスポーツライターの武田薫氏がこう言った。

「錦織はグランドスラムの5セットだけでなく、ファイナルセットの勝負に抜群に強い。今大会の3回戦まで5セットマッチは通算21勝6敗と勝率は高いが、それは数字遊びで、誰もフルセットはやりたくない。そうなる前に、粘りと集中力を発揮したいことは本人も自覚しているのですが、前半にふっと集中力がバラついて、長期戦になっている。4大大会の優勝を狙うなら、7試合ありますから、単に勝つだけでは不十分です。肉体だけでなく精神面のスタミナも温存して勝ち進む必要がある。そのためにも、ここぞという勝負どころは押さえないといけない。3回戦でいえば、ポイントは第1セットを取った直後の第2セット。4―1とリードして、このセットは何が何でも取らなければならなかった。格下とはいえ、相手は競争の激しいセルビアで育ったしたたかな選手です。1―1になれば1セット捨てる展開も考えてきます。おまけに、この日は途中から暑くなった。勝ちはしても、格下相手にこういう試合をやると目に見えない精神的な消耗が大きく、勝ち進んでからビッグ3に勝負を挑むのがきつくなります。もったいないですね」

 錦織が4大大会を勝つ可能性は極めて低いと言わざるを得ない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因