著者のコラム一覧
いとうやまねコラムニスト

サッカー、フィギュアスケート、ラグビーなどのコラムニスト。取材・構成・ライティングを担当した土肥美智子著「サッカー日本代表帯同ドクター 女性スポーツドクターのパイオニアとしての軌跡」が好評発売中。

誇り高き南太平洋諸国の代表 サモアの伝統とタトゥー物語

公開日: 更新日:

 ラグビーの国際統括団体である「ワールドラグビー」は、以前からW杯出場各国に対して「日本国内において試合以外の公共の場ではタトゥーを隠すように」と奨励していた。理由はいまさら言うまでもないが、日本における「入れ墨」の認識に配慮したものである。

 伝統的にタトゥー人口の多いニュージーランドをはじめとする南太平洋諸国代表も、一様にその提案を受け入れた。日本文化を尊重して〈郷に従う〉ということだった。

 国によっては選手たちにタトゥーを隠すテープや、そのまま水にも入れるスキンスーツを用意したと聞くが、受け入れ側の日本の方が逆に恐縮している。「そこまでしなくても」とか「うちの入浴施設は隠さなくてもかまわない」といった申し出が相次いでいる。

 東京五輪前にラグビーW杯があったことは、このあたりの軌道修正に役立ったのではと思う。

 タトゥーは世界規模で愛好者がいる。その歴史は、はるか古代エジプトにまでさかのぼる。伝統や宗教、通過儀礼、ファッションなど目的はさまざまだ。ミクロネシア、メラネシア、ポリネシアなどの地域は特に多く、日本と対戦するサモアもタトゥー率が高い。選手だけではない。来場するファンもそうだ。男子でいうと成長期の終盤に当たる14~18歳のころに墨を入れるらしい。もちろん強制ではない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし