3.1協会の決断は?大相撲3月場所中止なら14億円超の大打撃

公開日: 更新日:

 苦しい選択を突き付けられた。

 新型コロナウイルスの影響で、開催の是非を問われている大相撲3月場所(8日初日=大阪)。すでに場所前のイベントは続々中止になっている。毎年恒例の住吉大社での横綱土俵入りが中止になり、開幕直前の7日に行われる土俵祭りも力士は不参加、一般開放もなしと決定した。

 尾車事業部長(元大関琴風)は「力士がひとりでも(コロナウイルスに)感染していたら中止にせざるを得ない」と話し、健康管理の徹底を呼び掛けた。通常開催か、それとも無観客か、あるいは中止になってしまうのか。協会は3月1日の臨時理事会で決断を下すという。

 角界にはいま、追い風が吹いている。それを象徴するのが、北の湖以来38年ぶりとなる「横綱大関」だ。大関は原則2人だが、現在は貴景勝(23)しかいない。そのため、番付表では横綱が大関を兼ねる必要がある。今回は西の横綱鶴竜がその役割を果たすということだ。

 裏を返せば、三役以下の力士にとっては出世のチャンスに他ならない。北の湖が最後に横綱大関の看板を背負ったのが、琴風がひとり大関だった1982年1月場所。その翌年の83年7月場所では隆の里、北天佑、朝潮、若島津の4人が大関に名を連ね、5大関が揃い踏みすることになった。誰も彼も、「今が昇進のチャンス」と貪欲に食らいついた結果だろう。

 現在の土俵も、大関候補たちが虎視眈々と牙を研いでいる。その筆頭が朝乃山(25)だ。直前の2場所で11勝、10勝。大関昇進は「三役で3場所33勝」なので、ノルマは12勝だ。先場所、徳勝龍(33)との賜杯争いに敗れた正代(28)も、かつては「将来の大関」と呼ばれた逸材。これまで消極的だった相撲も改善されつつあり、ようやく頭角を現してきたといっていい。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々