著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

政治家のセンセが吹きまくる「一億総火の玉五輪」の大法螺

公開日: 更新日:

 若いやつぁ知らんと思うけど、昔この国はね、

「あんまり心配しないで大丈夫だから。戦争やります」

 って法螺吹いて大々的に戦争してサ。コテンパンに負けたのサ。

「政府と民が一体となって遂行する決意です!」って戦争して、コテンパンに負けたのサ。

「なにがなんでもやるんだ!」って高度1万メートル上空のB29に竹ヤリ突き上げてサ。コテンパンに負けたのサ。絨毯爆撃で火あぶりにされて、原爆で焼き殺されて、それでも「一億総火の玉となって、やり抜くんだぁ!」ってセンセがたが法螺吹きまくって、でも、みんな心の中で思ってたのサ。

「もう法螺吹くの、やめようよ」

 センセがたは学んでないね。あんたら一体誰にそそのかされてるの? どっかのとてつもない大金持ちに法螺吹けってケツ引っ叩かれてんだろ?

「人があれだけ死んでもやります! っていう国だから、日本はやるだろう。みんな一億総火の玉となって、竹ヤリの最後の1本が折れても、やると言ったらやるだろう。それが法螺法螺、(もとい)ホラホラ? なんつうの? やつらの得意な? そう、『やまとだましい』! ダメだったら、極東五輪裁判で巨額の損失補填させりゃいいのサ」

 言っとくけどこれって、「やまと騙し」だからね。

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