山田隆道
著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

巨人がDeNA梶谷と井納を獲得 消え失せた強者の憎たらしさ

公開日: 更新日:

 しかし、今年の梶谷&井納の獲得についてはそういうおなじみの批判すらも少しむなしく思えてしまう。現在の巨人はリーグ2連覇中で、原辰徳監督に至っては在任14年間で9度のリーグ優勝と3度の日本一という圧倒的な実績を誇っているのだが、その一方で今年の日本シリーズでは2年連続でソフトバンクに4連敗を喫し、巨人というチームが言わば下部リーグのお山の大将に過ぎないことがあきらかになってしまった。つまり、これまでのような「巨人=強者」というイメージがまったくない中で先述した露骨な戦力補強をやっても、巨人特有の憎たらしさみたいなものがあまり感じられないのだ。

 だから、今年の巨人の補強から伝わってくるのは勝利至上主義の見苦しさではなく、弱者の深刻な悲壮感だ。パ・リーグ王者にてんで歯が立たなかった弱小リーグのお山の大将が、あわてて補強に動いた結果、同リーグの下位チームから主力選手を強奪。しかも、梶谷と井納は超大物選手というわけでもないため、なんとなくツギハギ補強のような脆弱さも漂わせている。とてもじゃないけど、ソフトバンクという巨大戦艦に向けた対策にはならないだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  3. 3
    無垢で可愛かったのに…元有名子役・若山耀人逮捕の衝撃! NHK大河「軍師官兵衛」にも出演

    無垢で可愛かったのに…元有名子役・若山耀人逮捕の衝撃! NHK大河「軍師官兵衛」にも出演

  4. 4
    岸田首相含め政務三役31人、渡航費用12.6億円!円安放置し“血税ごっつぁん”外遊三昧のア然【リスト付き】

    岸田首相含め政務三役31人、渡航費用12.6億円!円安放置し“血税ごっつぁん”外遊三昧のア然【リスト付き】

  5. 5
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  1. 6
    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  2. 7
    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

  3. 8
    仲野太賀に注目!NHK朝ドラ「虎に翼」で寅子と結婚…そして、もうすぐ“優三ロス”が起こる

    仲野太賀に注目!NHK朝ドラ「虎に翼」で寅子と結婚…そして、もうすぐ“優三ロス”が起こる

  4. 9
    若林志穂さん「Nさん、早く捕まってください」と悲痛な叫び…直前に配信された対談動画に反応

    若林志穂さん「Nさん、早く捕まってください」と悲痛な叫び…直前に配信された対談動画に反応

  5. 10
    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前