メジャーにこれだけの“しきたり”が 先人たちの体験と失敗

公開日: 更新日:

相手チームとメディアを刺激したダル

 メジャーには公認野球規則に記載されていない暗黙のルール、不文律が存在する。例えば大差で勝っているチームの選手は、3-0からカウントを取りにきた球を打つこと、盗塁することなどが禁じられている。ノーヒットノーランや完全試合継続中のバントヒット、サヨナラ以外の本塁打での派手なガッツポーズ、捕手のサインを打者がのぞいたり二塁走者が打者に伝えたりすることなどもご法度だ。要するに対戦は正々堂々、相手には敬意を払わなければならない。インチキや見下した態度を取ることは許されないのだ。

 ダルビッシュ有は渡米1年目、2012年のオープン戦初戦でフェンス越え(記録は二塁打)の当たりを打たれながら、「とらえられたという感じはしない」と発言。このコメントが相手チームとメディアを刺激した。「120メートル超の当たりを打たれながら、あんなことがよく言えるよな」とベテラン選手が吐き捨てれば、米紙「USAトゥデー」は「彼は現実を認識していない」という相手選手のコメントを掲載した。

メッツに入団した松井稼頭央が、1年目から2年続けて開幕戦のプレーボール直後の初球を本塁打したのも微妙と言えば微妙でした。『快挙』と報じたメディアもあるが、開幕投手は、さあスタートという意味を込めて、ど真ん中に思い切りストレートを投げ込むからです。右も左も分からない1年目ならともかく、2年続けて初球ストレートを狙い打ちするのはいかがなものかと、むしろ冷ややかなメディアが多かったですから。アンリトンルールに反した場合のペナルティーは報復死球がほとんどですが、投手にはぶつけませんし、ぶつけるときも頭部は絶対に避けなきゃいけません」(米紙コラムニストのビリー・デービス氏)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    彬子さま三笠宮家“新当主”で…麻生太郎氏が気を揉む実妹・信子さま「母娘の断絶」と「女性宮家問題」

  4. 4

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  5. 5

    ヤクルト池山新監督の「意外な評判」 二軍を率いて最下位、その手腕を不安視する声が少なくないが…

  1. 6

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  2. 7

    違法薬物で逮捕された元NHKアナ塚本堅一さんは、依存症予防教育アドバイザーとして再出発していた

  3. 8

    大麻所持の清水尋也、保釈後も広がる波紋…水面下で進む"芋づる式逮捕"に芸能界は戦々恐々

  4. 9

    “行間”を深読みできない人が急増中…「無言の帰宅」の意味、なぜ分からないのか

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発