中国ワクチン外交に“籠絡”された IOCバッハ発言の無責任

公開日: 更新日:

「事前に話は全く聞いていない。ワクチンの接種については日本政府がやっている。組織委としてコメントする立場にない」

 東京五輪パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長はこう驚いていたが、日本オリンピック委員会(JOC)にとっても寝耳に水の話だったらしい。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が11日の総会で、今夏の東京五輪と来年の北京冬季五輪の参加者を対象に、中国オリンピック委員会から新型コロナウイルスのワクチンを提供するとの申し出があったと明らかにしたことだ。

 バッハ会長によると、ワクチン接種費用はIOCが負担するといい、「これは東京大会の安全を確保するための、さらなる道しるべとなる」と語っていたが、果たしてそうなるのか。

 元外務省国際情報局長の孫崎享氏は「私はバッハ会長の発言は非常に無責任だと思う」と言い、こう続ける。

「コロナワクチンは副反応と安全性が大きな問題になっているのです。中国製ワクチンを英国やドイツなど西側の主要国が接種しているのであればともかく、導入例はほとんど聞いたことがありません。IOCが費用を負担する、というのであれば、少なくともファイザーなど他の種類のワクチンも参加者が自由に選べるようにするべきです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」