武田薫
著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

錦織の順調な復帰を支える新コーチとのさりげない“距離感”

公開日: 更新日:

 テニスシーズンの到来だ。新型コロナウイルス感染は衰えを見せていないが、さまざまな制限下でツアーも熱を帯びてきた。全仏は1週間延期されて5月30日から、昨年は中止だったウィンブルドンは6月28日の開幕に向け準備を続けている。

■ツアーの混沌を体感

 錦織圭が着実に前進している。一昨年の肘の手術、それに続くパンデミックによる変則日程という難しい状況を逆手にとって、目標をしっかり絞っている印象だ。

 クレーコートシーズンに入った今月のバルセロナで2勝、ナダルに挑戦してフルセットの末に敗れた。3試合ともフルセットと相変わらず勝ち味は遅いが、ここでの収穫はデカい。クレーシーズンのゴールは全仏オープンだが、いまの錦織のゴールはそこではない。東京オリンピックの仮想目標より何より、故障前の自信を取り戻すのがカギ。そのために勝ち切る、力を出し切る、戦い切る――過去2度優勝のバルセロナで“やり切った感”があった。

 体力的に消耗した中、ポルトガルのエストリル・オープンに急遽エントリーしたのも手応えを感じたからだろう。練習中に右脚を痛め直前欠場という空回りだが、眼下の課題を考えれば正解。この後、マドリード、ローマのマスターズ2大会、全仏が控え、そこでのチャレンジ機会を優先させたのは理にかなっている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  2. 2
    「ダルよりすごい」ムキムキボディーに球団職員が仰天!プロ3、4年目で中田翔より打球を飛ばした

    「ダルよりすごい」ムキムキボディーに球団職員が仰天!プロ3、4年目で中田翔より打球を飛ばした

  3. 3
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

  4. 4
    22年は尻回りが推定1.5倍に増大、投げても打ってもMLBトップクラスの数値を量産した

    22年は尻回りが推定1.5倍に増大、投げても打ってもMLBトップクラスの数値を量産した

  5. 5
    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

  1. 6
    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

  2. 7
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  3. 8
    大谷の2023年は「打って投げて休みなし」…体が悲鳴を上げ、右肘靭帯がパンクした

    大谷の2023年は「打って投げて休みなし」…体が悲鳴を上げ、右肘靭帯がパンクした

  4. 9
    「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された

    「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された

  5. 10
    河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う

    河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う