著者のコラム一覧
後藤逸郎ジャーナリスト

1965年生まれ。毎日新聞大阪経済部次長、東京本社特別報道グループ編集委員などを経て現職。著書に「オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側」(文春新書)。

「中止すれば経済損失」は本当か コンコルド効果の可能性

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルス感染拡大下の東京2020オリンピック・パラリンピック大会開催は、感染爆発抑制が見通せない限り日本経済に深刻な打撃をもたらす恐れがある。中止は経済効果を損なうという主張は机上の空論に過ぎない。

 大会中止の経済効果を試算したリポートは複数のシンクタンクや研究者が公表しており、大半は中止すれば経済損失が巨額にのぼると迫る。予定日まで2カ月を切っており、損失が出るなら予定通り開催した方がいいと考える人がいてもおかしくはない。

 だが、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストが5月25日に公表したリポートは一味違った。見出しこそ「中止の経済損失1兆8000億円」だが、開催時の感染拡大リスクが経済効果を打ち消すことを指摘した。感染拡大のパターンが想定しきれないためか、具体的な損失額は明示していない。

 一方で、感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言が押し下げた国内総生産(GDP)は、宣言1~3回目で各約4兆9000億~約6兆4000億円に上ると試算。<大会を中止する場合の経済損失は、緊急事態宣言1回分によるものよりも小さいのである>と断じた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人vs阪神またもドラフト場外戦勃発!1巡目指名8年で5回モロかぶり…中日とヤクルトも参戦か

  2. 2

    叱責、鉄拳、罰金…試練の日々で星野監督よりも「怖かった人」

  3. 3

    ドラフト外入団の憂き目に半ば不貞腐れていたボクを最初に見出してくれたのは山本浩二さんだった

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  5. 5

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  1. 6

    前橋市長の「ラブホ通い詰め」だけじゃない…有名女優らもキャッチされた格安ラブホ不倫劇の舞台裏

  2. 7

    次期巨人監督へ桑田二軍監督が腕まくり! 松井秀喜氏への“つなぎ登板”は球団の思惑とも合致

  3. 8

    林芳正氏が自民党総裁選“台風の目に”…「2強」失速でまさかの決戦投票進出あるか

  4. 9

    国民民主・玉木代表が維新の“自民すり寄り”に猛ジェラシー! 総裁選後の「補完勢力」の座めぐり場外乱闘勃発

  5. 10

    杉田かおるの窮地を陰から支えていた舘ひろしの男気