大谷の球宴二刀流出場を監督容認 最後の大きなハードルは

公開日: 更新日:

「素晴らしい。イイネ。彼ができるのであれば反対しない」――。

 エンゼルスのジョー・マドン監督が、こう言って大谷翔平(26)のオールスター(日本時間7月14日=コロラド州デンバー)での二刀流出場を容認した。

 15日に発表されたファン投票の第1回中間結果でア・リーグDH部門1位の52万6608票を集めて、2位レッドソックスのマルティネス(29万3757票)に約23万票差をつけた。順調に得票を伸ばせば初の栄誉を手にすることになる。

 指揮官は、大谷の球宴での投打同時出場について「彼の登板日程による」としながらも「1イニングだけならね。本人が希望するなら私に反対する理由はない」とゴーサインを出した。

 主にファン投票で決まる野手とは異なり、投手は大リーグ機構(MLB)推薦と選手間投票で選出される。大谷がDHに加えて投手でも球宴メンバーに名を連ねるには高いハードルがあるものの、二刀流で選出されれば、投打の同時出場は現実味を帯びる。

 昨季、ア・リーグを制し、球宴で指揮を執るレイズのキャッシュ監督は大谷の投打の才能にゾッコン。2019年6月のレイズ戦(トロピカーナ・フィールド=フロリダ州セントピーターズバーグ)で大谷は日本人初のサイクル安打を達成。それを目の当たりにしてから、一目置くようになったそうだ。

 それまで二刀流に懐疑的な見方をしていたが、今では投打とも高いパフォーマンスを発揮する大谷について「特別な才能の持ち主」「彼こそがスーパースターだ」と賛辞を惜しまない。レイズは少ない予算で運営しており、人件費も限られるだけに、「彼(大谷)のように1人2役をこなす選手がいてくれると監督としては助かる」と話したこともあるという。

 キャッシュ監督の後押しを受けた大谷はナ・リーグを代表する投手と打者を相手に二刀流で結果を残せるか。

滑り止め使用に10試合出場停止の厳罰

 MLBは15日(日本時間16日)、投手による滑り止めの使用を禁止する新ルールを発表。今月21日(同22日)から適用され、登板時にサンオイルなどの異物使用が発覚すれば、即退場となり、10試合の出場停止処分が科される。

 新ルールでは球審が先発投手に少なくとも2度、リリーフ投手に1度は異物の有無を確認。相手チームの監督からの指摘がなくても球審の判断で随時、チェックできる。違反した投手が復帰するまで代わりの補充は認めないという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  4. 4

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  5. 5

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  1. 6

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  2. 7

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  3. 8

    メジャー挑戦組出場の追い風になるのか? 巨人岡本は「絶対に出たい。ただ…」

  4. 9

    阿部巨人かつての盟友・李承燁氏に打撃コーチ緊急打診の深層…来季首脳陣発表後にナゼ?

  5. 10

    星野監督と1週間連続の晩飯ざんまい…ハワイ自主トレ中に突然、「星野ですう~」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ