大谷が6回零封で5勝目、エンゼルスの連敗止める!「審判懐柔」で投打とも巻き返し

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 二刀流が再び、チームの窮地を救った。

 エンゼルス・大谷翔平(27)が日本時間17日、敵地シアトルでのマリナーズ戦にリアル二刀流で出場。投げては6回を3安打無失点、6奪三振で5勝目(4敗)をマーク。打っては4打数2安打のマルチで、2019年8月に記録した11試合連続安打の自己最長記録に並んだ。大谷の投打にわたる働きで、チームの連敗は3でストップ。4勝目を挙げて連敗を14で止めた10日のレッドソックス戦に続き、今季2度目の連敗ストッパーの大役をこなした。

 前日は敵地ロサンゼルスでのドジャース戦終了後、深夜に移動。この日の大谷が「腕が振れている感じではなかった。すごく思い通りにいっている(投げられている)わけではなかった」と振り返った通り、タイトな日程を強いられたこともあり、直球、変化球が抜け、逆球も目立った。内容的にはイマイチだったものの、アンパイアを見事に懐柔して見せた。

 初回、高めの際どいコースをボールと判定された3番ウィンカーへの四球をきっかけに、自身の暴投もあって2死二、三塁のピンチ。後続を打ち取ってベンチに引き揚げる際、デービッド・アリエッタ球審と話し込むシーンがあった。大谷によれば、ストライクゾーンのズレを確認したそうで、アリエッタ球審からは納得のいく回答が得られたのだろう。最後は球審の説明に笑顔でうなずいてベンチに下がった。

 アンパイアとのコースに関する認識が一致したのか、二回以降は、立ち上がりにボールと判定された内角高めへの球を減らし、カーブ、スライダーを低めに集めて打ち取った。

 今季序盤、打者大谷は特に外角低めの際どいコースを「ストライク」と判定され、見逃し三振に倒れるケースが少なくなかった。時にはフルカウントから自信を持って見送り、一塁に歩きかけた途端にアンパイアの右手が上がることもあった。ジャッジに納得がいかない大谷は、ほぼ毎回のように「入ってない」とばかりに手や首を振ってアピール。その結果、球審の心証を害して、さらに判定が厳しくなる悪循環に陥ったとの見方もあった。

 二刀流への厳しすぎるジャッジには米メディアから同情する声も上がったとはいえ、審判を敵に回しても得にならないと痛感したのだろう。

 審判を懐柔する術を身に付けた大谷は今後、投打とも上積みが期待できそうだ。

大谷ショック…レンドン手首手術で今季絶望

 大リーグ・エンゼルスのアンソニー・レンドンが右手首炎症の手術のため、今季出場が絶望となった。チームが17日(現地時間)発表した。レンドンは14日のドジャース戦で痛めていた炎症を悪化させていた。

 レンドンは4番を打つチームの主砲。2019年オフにエンゼルスと7年約266億円で契約して移籍した。

 5月28日に右手首を痛め故障者入り。チームは負けが込み、マドン監督の解任につながった。10日に復帰したばかり。

 大谷は9月に優勝争いするチームでいたいと常々語っている。主力の長期離脱はショックだろう。

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