著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神・青柳スーパーエースへの条件 夏が苦手な投手は沢村賞選考委員に嫌われる

公開日: 更新日:

 これが今年だけだったら、それもまた、たまにはそういう年もあるだろうで片付くのだが、青柳の場合、ここも2年連続だからちょっと不安になってしまう。思えば昨年の青柳もオールスター前まではリーグトップの防御率1.79を誇り、同2位タイの8勝をマークしていたのだが、その後に東京五輪に出場し、慣れないリリーフ起用もあってか、登板した2試合とも失点してから少し調子がおかしくなっていた。

 五輪後は先発に復帰したものの、前半戦のような絶好調とはいかず、8月24日に10勝目を挙げて以降は1カ月以上も白星から遠ざかった。その間、5試合に先発して0勝3敗で、QSはわずかに1試合だけだった。

 昨年の夏に不調に陥っただけなら東京五輪というイレギュラーな行事の影響という見方もできるが、今年の夏も2年連続で不調になるということは、これはもう単純に青柳が過酷な夏を苦手としている投手ということになるのではないか。もちろん、猛暑の夏はどんな投手でも体力を消耗しやすく、また、これまでの蓄積疲労の影響も受けやすいだろう。しかし、青柳には真の意味でのスーパーエースになってほしいからこそ、そういう誰もが苦しむ過酷な夏を鬼気迫る快投で乗り越えてほしい。後半戦の勝負どころで難敵相手に圧巻の投球を見せつけるのが、やはりエースというものだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  3. 3

    広陵・中井監督が語っていた「部員は全員家族」…今となっては“ブーメラン”な指導方針と哲学の数々

  4. 4

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  5. 5

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  1. 6

    最速158キロ健大高崎・石垣元気を独占直撃!「最も関心があるプロ球団はどこですか?」

  2. 7

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  3. 8

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  4. 9

    開星(島根)野々村直通監督「グラウンドで倒れたら本望?そういうのはない。子供にも失礼ですから」

  5. 10

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理