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友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

エ軍前指揮官マドン氏の著作で分かった「監督優位」の完全終焉…GMらの口出しを赤裸々告発

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 実はエンゼルスでGMと監督が激しく対立したのは、これが初めてではない。2015年にも経験と勘を重視するソーシア監督と分析データを重視するディポトGMが激しく対立。この時は「旧思考」のモレノ・オーナーに支持されたソーシア監督が勝ち、ディポトGMはシーズン途中の7月にケツをまくって辞任、2カ月後にライバルチームのマリナーズGMに就任した。

 エンゼルスが時代の潮流に逆らって「監督優位」に固執していることは、以前から広く認識されてきた。GM優位の時代を象徴するアスレチックスのビリー・ビーンGMを主人公にした「マネーボール」には、02年に好成績を出しながら契約延長を拒否されたアート・ハウ監督が「エンゼルスの場合は、重視されるのは監督だけだ。世間一般はエンゼルスのGMが誰なのかも知らないと思う」と監督偏重を羨むセリフが出てくる。

 このように岩盤保守球団というイメージが強かったエンゼルスで、今年6月に大物監督のマドンが小物GMのミナシアンに追い出される想定外のことが起きたのは、旧思考を貫いてきたモレノ・オーナーが、その頃には球団を売却する腹を固めており、監督優位に対する執着を失っていた可能性が高い。

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