大谷翔平の移籍先有力候補 LAドジャース敏腕社長の値踏みとファンのシビアな品定め

公開日: 更新日:

 大谷翔平(28)のエンゼルスが日本時間21日から本拠地アナハイムで、ドジャースとのインターリーグ「フリーウエーシリーズ」2連戦。21日の初戦は「2番・DH」で出場したが、4打数無安打2三振。連続試合安打は「15」で止まった。

 この日はサイ・ヤング賞3度(11、13、14年)のベテラン左腕カーショウを打ちあぐねた。一回は初球148キロの直球を捉えきれず左飛に倒れると、四回の第2打席はカウント2-2から外角低めの変化球に空振り三振。第3打席は左飛に打ち取られ、八回は2番手左腕ファーガソンの高めの直球にバットが空を切った。

 これで大谷はカーショウに対して通算11打数無安打となった。

 試合は先発左腕デトマースがカーショウと投手戦を展開。7回を2安打無失点、8奪三振と好投したが、2番手右腕デベンスキーが打ち込まれ、0ー2で敗れた。なお、22日は7勝目(2敗)をかけて登板する。

 ◇  ◇  ◇

 同カードは前半戦の最後の7月8、9日にも2試合組まれており、今夏のトレードデッドライン(8月2日)はともかく、今オフのFA市場で大谷の移籍先として有力視されるドジャースによる品定めがより厳しくなりそうだ。

 ド軍の編成トップでもあるアンドリュー・フリードマン球団社長はウォール街の金融マンからレイズに転身。ウォール街で身につけた統計学やデータ分析を駆使して編成部門で手腕を発揮し、低予算でやりくりするレイズを強豪に押し上げる礎を築いた。資金力豊富なドジャースの編成本部長に就任してからも独自の手法で選手の力量を見極め、リリーフ陣の年俸を抑えるなどシビアな補強を行っている。

■優勝争い時のパフォーマンス

 西海岸を代表する人気球団のド軍は地元ファンから常勝を期待され、選手は特にシーズン終盤からポストシーズンにかけてのパフォーマンスが要求される。大谷を獲得するとなればメジャー史上最高額となる800億円規模の資金が必要といわれる。エンゼルスは目下、地区2位。優勝を狙える位置にいる。地区優勝、ポストシーズン進出争いが熾烈になる球宴以降、敏腕社長による大谷の値踏みは、より厳密になりそうだ。

 ド軍フロントに加えてファンの厳しい視線にもさらされることになる。フリーウエーシリーズはエンゼルスタジアムに多くのドジャースファンが詰めかけることで知られる。アナハイム市に居住するド軍ファンが、約50キロ離れたロサンゼルス市への移動や同市内の慢性的な交通渋滞、30球団で最も高額なチケット代(平均約3万円)、飲食代を嫌ってエ軍の本拠地で観戦するためだ。

 地元メディアなどによれば、今季のエンゼルスタジアムには多くのド軍ファンがエンゼルス戦にも詰めかけているらしい。ド軍が大谷の移籍先に浮上していることから、ドジャース戦でもないのにわざわざ、二刀流目当てに足を運んでいるのだという。

 アナハイムのドジャースファンは目が肥えているうえに過激。これまでトラウトや大谷ですら不甲斐ないプレーには容赦なくブーイングを浴びせてきた。

 裏を返せば、ドジャース戦で大暴れすれば、さらに大谷自身の価値を上げることになりそうだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  2. 2

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  3. 3

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  1. 6

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  2. 7

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 10

    大山悠輔逃し赤っ恥の巨人にOB評論家《良かった》 FA争奪戦まず1敗も…フラれたからこその大幸運

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  2. 2

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  3. 3

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  4. 4

    W杯最終予選で「一強」状態 森保ジャパン1月アジア杯ベスト8敗退からナニが変わったのか?

  5. 5

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  1. 6

    指が変形する「へバーデン結節」は最新治療で進行を食い止める

  2. 7

    ジョン・レノン(5)ジョンを意識した出で立ちで沢田研二を取材すると「どっちが芸能人?」と会員限定記事

  3. 8

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 9

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  5. 10

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も