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春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

2030年冬季五輪に突然、スウェーデンとスイスが開催名乗りを上げた裏側

公開日: 更新日:

 その東京五輪は山下会長2期目の22年に発覚した贈収賄事件と談合事件で汚された。五輪を代弁する声を聞きたかったが、反省と謝罪だけに終わった。

 3期目の再任記者会見でも、札幌市が目指す30年冬季五輪招致について、「非常に厳しい」と述べ、「信頼回復なくして機運醸成していくのは難しい。まずは信頼回復を愚直にやっていく。特効薬はない」と言ったのを聞き、不安になった。

 招致についてはJOCが推した都市である限り、否定的な見解はご法度。信頼回復はJOCの札幌冬季五輪実現のための努力の中でしか見えてこない。それが札幌を推したJOCの責任である。

 にもかかわらず、山下会長は及び腰。札幌市民にどれだけ五輪運動を理解してもらえるか。真っすぐにその努力をするのが責務なのに、「非常に厳しい」と弱音を吐いて、真摯に向き合おうとしていないように見える。市民の賛同が得られない状況での五輪開催はIOCにとっても願い下げである。

 確かに30年の札幌五輪招致はハードルが高い。最近になってスウェーデンやスイスに名乗りを上げさせたのもIOCの戦略のひとつとみる。

 しかし、私にはこの窮地!? に起死回生の提案がある。それは日本から「30年冬季五輪をウクライナで!」と叫ぶことだ。その訳を明日、つづりたい。 (つづく)

【連載】2030年ウクライナ冬季五輪の胎動

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