韓国に追い付かれ味方DFに思わず「こっちが入れよるわりによう奪われとるやないか」
1968年メキシコ五輪のアジア予選・韓国戦(67年10月7日)は国立競技場で行われ、5万人以上の大観衆で超満員だった。
前半を2-0で折り返したが、後半に1点を返されて24分に同点弾を決められてしまった。
DF同士が譲り合ったり、ミスからの失点もあったので、カッとなってしまって「こっちが入れよるわりによう奪われとるやないか」とDF陣に言った(らしい)。覚えているような、覚えていないような……。こんな物言い、普段は絶対にするタイプではないが、国際試合は戦争みたいなもんだし、試合中は先輩も後輩もなく、ズケズケと言わせてもらっていたのも確か。つい口をついて出てしまったんやろうな。
失点直後の後半25分に3点目を決めたが、その1分か2分後には同点にされ、結局は3-3の引き分けに終わった。今でも思い出すことがある。
韓国のマーカー役の選手が、失点の責任を感じて泣きながらプレーしていた。「韓国魂というのか、大和魂に引けをとらない思いがあるんやな」と感心したことが印象に残っている。もちろん感心はしても、同情はしない。勝つためにサッカーをやっているからだ。