視覚障害のあるサッカー選手 松本光平さん「激レアさん」で紹介され話題に…その後どうしてる?

公開日: 更新日:

松本光平さん(視覚障害のあるサッカー選手/34歳)

 視力に障害を負いながら、健常者とともにプロのサッカーチームでプレーするなど想像もできないが、それに挑戦している人がいた。松本光平さんだ。2022年3月、バラエティー番組「激レアさんを連れてきた。」(テレビ朝日系)で紹介され話題になった。松本さん、その後、どうしているのか。

 ◇  ◇  ◇

 松本さんに会ったのは、東京メトロ・茅場町駅そばのカフェ。白杖をつきつつ、やってきた松本さん、まずはこう言った。

「10月にニュージーランドでのシーズンを終え、日本へ戻ってきました」

 松本さん、昨シーズンをニュージーランド1部のチーム、ハミルトン・ワンダラーズでプレーしていたのだそうだ。

「20年に目をケガしてから、3年半かかってようやくピッチに立つことができました。ハミルトンはケガをしていたときに契約していたチームで、『帰ってこい。いつでも待ってるぞ』と言ってくれていたんです。ただ、選手登録はしても、プレーは期待されていなかった。ところが、8月にようやくビザが下りてニュージーランドに渡り、到着3日後のU-23の試合で、僕が本当にサッカーができることを証明したら、同日のトップチームの試合で早速、起用されました。感慨に浸る間もなく(笑)。シーズンが終わってみたら、それからの全6試合にスタメンで出場しましたよ」

 健常者と一緒にサッカーができるとは、信じがたいほどの驚きがある。

「右目は見えませんが、左目はボンヤリ見えるんです。プールの中で目を開けているような見え方ですね。だから、字は読めませんが、遠い所も色や形はなんとなくわかるし、目と脳を組み合わせたトレーニングを重ねてきたので、ケガで難しくなった浮き球の処理も、まったく問題なくできるようになっているんです」

 街を歩くとき白杖を使用するのは、松本さんはパッと見は視覚障害者とはわからないため。白杖を持っていれば、駅員に道を尋ねるときなどに、視力について説明しなくて済むのだという。

「ボンヤリの見え方に慣れてきたこともあって、日常生活でもあまり不便は感じませんよ」

 明るく話すが、ケガも手術も激痛を伴う大変なものだった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する