「二刀流」を失ったエンゼルスの惨状…資産価値の暴落でオーナー球団売却に現実味

公開日: 更新日:

 ドジャース大谷翔平(29)の古巣であるエンゼルスはGMの迷走が続いて課題だった投手陣の整備は進まず、主力野手もオープン戦で絶不調など散々な状況。ファンからはオーナーを批判する声や球団の身売りを願う声があふれている。(【前編】からつづく)

  ◇  ◇  ◇

 2月に地元紙「オレンジ・カウンティー・レジスター」のインタビューに応じたモレノ・オーナーは昨年1月に一度は撤回した球団の身売りについて「チームの売却を再検討する予定はまったくない」と否定しながらも、「ビジネスを最優先に考えているだけに、決断しなければならないだろう」と含みを持たせた。

 要するに大谷流出で資産価値が暴落した球団を、破格値で買うオファーがあれば、身売りも辞さないということだ。

 野球文化学会会長で名城大准教授の鈴村裕輔氏がこう言う。

「“大谷ロス”はエンゼルスにとってビジネス面で深刻な悪化をもたらすのは明らかです。大谷が右肘と右脇腹を痛めて欠場した昨季終盤は不入りが続き、ポストシーズン進出が絶望的になったこともあり、チケットのリセールサイトでは1枚2ドル(約300円)で売りに出ている座席もありました。仮に今季も低迷し、10年連続でポストシーズン進出を逃せば、大谷の引き留めに失敗したことも含めて愛想を尽かすファンがますます増えるでしょう。エンゼルス戦の中継局バリースポーツ・ウエストの親会社が破産し、今後の放映権料収入も不透明な状況です。モレノ・オーナーは決断を迫られ、トラウトがいるうちに身売りに動く可能性もあります」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし