2024年ドラフト「得した球団、損した球団」“流しのブルペン捕手”安倍昌彦氏が忖度なしガチ評価

公開日: 更新日:

 最も成功したのは中日です。

 アマ球界ナンバーワン左腕・金丸夢斗(関大)を4球団競合の末に指名できた時点で100点満点。さらに、2位で社会人トップクラスの左腕・吉田聖弥(西濃運輸)を指名して120点。3位以下も含めると、200点のドラフトになりました。

 金丸はもちろん、2位の吉田は伊万里農林高(佐賀)から2021年に西濃運輸に入社し、4年間じっくりと力を付けた。直球のアベレージは140キロ前半ながら、とにかく球質がいい。スライダー、チェンジアップと2種類の変化球はいつでもストライクが取れる。私が今まで見てきた投手の中で、成功例が非常に多いタイプです。

 5位の左腕・高橋幸佑(北照高)も好素材です。横浜茅ヶ崎中の軟式野球部から北照高へ進み、3年間で体重は25キロ以上増え、ふた回りほど大きくなった。最速は148キロ。フォームのバランスが良い分、ファームで回り道することもないでしょう。178センチ、80キロの体格は、このオフ、メジャー挑戦する小笠原慎之助の東海大相模時代の背格好に似ていて、プロの食事とトレーニングで、もうひと伸び、ふた伸びできる。

 4位指名の捕手・石伊雄太(日本生命)は、捕手では全体1位。肩の強さはセ・リーグでトップクラスでしょう。課題だった打撃も都市対抗で繰り返し適時打を放つなど、実戦力を身に付けた。

 6位の右腕・有馬恵叶(聖カタリナ高)は今夏の甲子園に出場。ブルペンから素晴らしいボールを投げていて、大いに将来性が期待できます。

 気になるのは、中日が金丸をどう起用し、育てるのかということ。金丸は大学1年から主戦として投げ続け、試合のない平日は疲労回復を優先し、あまり強化練習ができなかった。腰の故障も経験し、1年間、元気に投げ続けるだけの芯の強さはまだ備わっていない点が心配です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景