世界最年長サッカージャーナリスト賀川浩さんを悼む…W杯10大会現地取材、91歳でFIFA会長賞受賞

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 初めて単独のロングインタビューに応じていただいたのが、2011年3月に起きた東日本大震災の翌4月だった。実際に遭遇した1938年の阪神大水害、1995年の阪神・淡路大震災に加えて東日本大震災など「自然災害の猛威」に対して「サッカー界がなすべきこと」をじっくりと聞いた。

 当時86歳だった賀川さんは、たかだか50歳の若輩記者に偉ぶるなんてことは微塵もなく、物腰柔らかに鋭敏な記憶力と分析力を披瀝しながら、興味深いエピソードの数々をお話いただいた。

 今でも記憶に残っている言葉がある。

「私は身長が低い(153センチ)けど、相手ゴール前でガチャガチャ動き回ってゴールを決めていたら、2歳上で中肉中背の元日本代表の兄貴(太郎氏)が『サッカーはチビの方がええのかな?』と聞いてきた。サッカーは体格勝負やない。南アW杯でスペインのイニエスタ(170センチ)がチョコマカ動くと相手の大男たちが足をバタバタさせて抜かれていた。日本人の特徴(高い技術や俊敏性など)を生かせば、これからも日本サッカーは強くなっていきます」

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