西武・鳥越裕介ヘッドコーチ「厳しく指導?僕は基本、怒らないんですよ。ただ…」

公開日: 更新日:

鳥越裕介(西武/ヘッドコーチ/53歳)

鳥越ヘッドコーチ(C)日刊ゲンダイ

 昨季、チーム打率.212で最下位に沈んだ西武が招聘した鳥越裕介ヘッドコーチ。ソフトバンクやロッテのコーチ時代は「鬼軍曹」と呼ばれていたが、若手中心の西武ではどのような指導をしているのか。

  ◇  ◇  ◇

 ──昨季の西武を、評論家として外部から見ていた時の印象は。

「僕はホークスメインの解説だったので、西武の試合をそこまでたくさん見ていたわけじゃない。それでも、雰囲気はあまり良くないかな、と思っていました」

 ──貧打の原因をどう分析していますか?

「うーん、やはりFAの流出が痛かったんじゃないですか。自前で育てた選手が、ある程度若いうちに出て行ってしまう。当時のレギュラー、秋山(現広島)、浅村(現楽天)、森(現オリックス)、山川(現ソフトバンク)でしょ? (打線の)真ん中がすっぽり抜けてしまっている」

 ──立て直しのために、キャンプで取り組んでいたことはありますか?

「まずは色々なことの当たり前のレベルが低かったので、そこを上げて行くこと。練習の質を上げて行くことを考えてやっていました」

 ──昨年に比べ、練習量も各段に増えた。

「去年までは知りませんが、僕らが科している練習メニューは15時過ぎには終わっている。だから、(その後の自主練習は)コーチは練習を手伝ったり、見ているだけ。こっちから『ノックをやれ』とかは一切言ってません。そもそも、これだけポジションが空いてることはないので、それぞれがチャンス。(球団には)『今年のキャンプは今までよりケガ人が少ないね』と言われました。選手も、それなりの準備をして入ってきているのかなと」

 ──西口新監督は「選手に厳しく接し、喝を入れてくれる」と期待している。

「その『厳しく』という定義がわからない。僕らコーチは『勝つためにどうするか』『預かった選手にどう接するか』を考え、その上で技術を伸ばし、言わなきゃいけないことは言う必要がある。プロスポーツの世界って、そもそも厳しい世界じゃないですか。厳しさで言えば、オリンピック選手たちの方がストイックだと思いますよ。少なくとも僕は『厳しく言ってやろう』とか『ガツンとやってやろう』なんて考えはないですよ。ただ、この場面は言わなきゃいけない、インパクトを残さなければいけない、という時は口調を変えて言うことはあります。それが『厳しい』と受け取られるのかもしれませんが、あくまで勝つためにやっていることですから」

 ──積極的に選手に声をかけていますね。

「会話は積極的にするようにしています。(西武の若手は)色々とネガティブに考えている選手が多く、攻める姿勢というか、何においても足りなかった。アピールも足りないと感じていましたから。確かに今の子は大人しいけど、その中でも、うーん……と。その選手が抱いている思いも、なかなか見えにくかった。だから会話して、どういう人間かも把握しなければいけない。逆に選手も僕のことを探っている感じでしたよ。最初は向こうも『この人に怒られるんじゃないか』という雰囲気だった。今はもうありませんけどね」

 ──ソフトバンクやロッテのコーチ時代は「鬼軍曹」と言われていた。

「僕は基本 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り641文字/全文2,001文字)

メルマガ会員
0円/月(税込)
今なら無料で日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事と競馬記事をそれぞれ3本試し読みできます!
オススメ!
プレミアム
2200円/月(税込)
日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事読み放題。最新の紙面をビューアーで閲覧可。競馬出走表も予想も全部読める。会員限定オンライン講座見放題。会員限定のプレゼントも。
スタンダード
780円/月(税込)
日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事が月50本まで読める。
新聞郵送セット割
3550円/月(税込)
プレミアムプランのサービスに加えて新聞も郵送で後日お手元へ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    浜田省吾が吉田拓郎のバックバンド時代にやらかしたシンバル転倒事件

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    「いま本当にすごい子役」2位 小林麻央×市川団十郎白猿の愛娘・堀越麗禾“本格女優”のポテンシャル

  1. 6

    幼稚舎ではなく中等部から慶応に入った芦田愛菜の賢すぎる選択…「マルモ」で多忙だった小学生時代

  2. 7

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  5. 10

    フジテレビ系「不思議体験ファイル」で7月5日大災難説“あおり過ぎ”で視聴者から苦情殺到