【スポーツ科学で読み解く二刀流】 打者・大谷が備える「コンタクトしながら長打を放つ高等技術」

公開日: 更新日:

今季、投打二刀流の復活を目指す大谷翔平(30)。投手、打者として大活躍する秘密は何か──。日本における「バイオメカニクスを活用した動作分析研究」のトップランナーで、ネクストベース社の上級主席研究員の神事努氏(国学院大学人間開発学部健康体育学科准教授=写真)が、スポーツ科学の観点から解き明かした。(数値、データはネクストベース社提供)

  ◇  ◇  ◇

 ──昨季は54本塁打、130打点で2冠を獲得。打率.310も含め、キャリアハイの成績を挙げた。

「打球の速度(全打席)は過去で一番速かった。23年が151.9キロだったのに対し、24年は154.0キロまでアップしました(MLB平均は142.4キロ)。速度そのものがかなり上がった。一方、スイングの速度に関しては、実はメジャー全体で8番目。一番速いスタントン選手(ヤンキース)の130.7キロに対し、大谷選手は122.8キロ。8キロほどスイングの速度としては遅いのが特徴です。打球が速いとスイングも速い、と思われがちですが、大谷選手はそうではない。では何が打球の速度を生み出しているかというと、コンタクトのうまさです」

 ──大谷は打球速度が速いうえ、確実性も兼ね備えているという。その指標のひとつが「バレルパーセント」。バレルゾーン(最も長打が出やすいとされる打球角度と打球速度の範囲。打球速度約158キロ以上で打球角度26~30度など)で打った割合だ。

「24年のバレルパーセントは13.8%で、ジャッジ選手(ヤンキース)に次いで2番目でした。さらに、ハードヒット率(約153キロ以上の打球)も全体で2位。きちんと芯で捉える能力が高いことが特徴です」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一の先行きはさらに険しくなった…「答え合わせ」連呼会見後、STARTO社がTOKIOとの年内契約終了発表

  2. 2

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  3. 3

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  4. 4

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  5. 5

    日本語ロックボーカルを力ずくで確立した功績はもっと語られるべき

  1. 6

    都玲華プロと“30歳差禁断愛”石井忍コーチの素性と評判…「2人の交際は有名」の証言も

  2. 7

    規制強化は待ったなし!政治家個人の「第2の財布」政党支部への企業献金は自民が9割、24億円超の仰天

  3. 8

    【伊東市長選告示ルポ】田久保前市長の第一声は異様な開き直り…“学歴詐称”「高卒なので」と直視せず

  4. 9

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  5. 10

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?