【スポーツ科学で読み解く二刀流】 打者・大谷が備える「コンタクトしながら長打を放つ高等技術」

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三冠王獲得も期待

 ──相手投手の分析も進んでいる。

「投手のバーティカル・アプローチ・アングル(VAA=ホームベースを通過する際の角度)がアメリカでは非常に注目されています。打者への入射角度が、空振りやゴロを奪ううえで効果的だという分析がある。入射角度が高くなるほど空振りが増えるのであれば、投手がどういう角度で投げているか、それに対してバットをどう出すかということが重要になる。大谷選手はこの分析が非常に進んだと思います。投手がどういうVAAで、打者がそれに対してどう反応していくか。相手投手に合わせた打ち方をすることも、空振りを減らし打球の角度を出せる要因になっています」

 ──今季は投打二刀流の復活を目指す。ナ・リーグに移籍して2年目。昨季に蓄積したデータもあり、三冠王獲得も期待される。

「投手をやることで、さらに投手の心理を読みやすくなると思います。昨年得られた技術のプラスアルファを多分に生かして進化させていくというふうになっていくと思います。対左はもう少し成績が良くなる可能性はあります。昨季は開幕から40打席本塁打ゼロと苦しんだシーズンの入り方も大事になるでしょう。一方、体づくりの観点で言いますと、投手として腕を走らせる動きをするには、どっちかというと先端、つまり腕が軽い方がいい。軽い方が振り回しやすいので、非常にメリットがあるのですが、打者をやろうとすると、上半身や前腕にも筋肉をつけている可能性がある。バットを振る動作をする場合、どうしても投手としてやりたいことと、打者としてやりたいことが一致しないことが発生します。少し体を小さくして、腕を振りやすくするようなフォルムに変更するのであれば、投手の準備をしながら打者としてどういうフィッティングをしていくのか。長距離というより、コンタクトに重点を置く可能性もあるでしょう」

(取材・構成=藤本幸宏/日刊ゲンダイ

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 投手・大谷についての分析は、関連記事《投手編を読む》…から要チェックだ。

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