巨人・岡本和真 長期離脱の波紋…緊急昇格の坂本勇人では穴埋まらず、お得意の補強頼りへ一直線
主砲離脱の影響は、当然のことながら小さくない。6日の阪神戦の守備で打者走者の中野と交錯した岡本和真(28)が負傷。阿部慎之助監督が「長期離脱になりかねないという感じ。たぶんダメ。時間はかかるだろうという診断」と顔を曇らせる一大事である。
7日、改めて診断結果が発表され、左肘の靱帯損傷で前半戦での復帰が絶望的となった。
「和真の代わりにはならないけど、チームのために精いっぱいがんばります」
救世主となるべく、昨7日に一軍昇格した坂本勇人(36)はこう言って表情を引き締めたが、残念ながら今の坂本はかつての坂本ではない。
プロ19年目を迎えた今季は開幕から11試合で打率.129、0本塁打、2打点。109試合で打率.238、7本塁打に終わった昨年以上の不振に喘ぎ、4月に自ら二軍降格を申し入れた。
元巨人打撃コーチとして往時を知る内田順三氏は、日刊ゲンダイに「通算2419安打の大打者だが、36歳という年齢もある。全盛期とは体のキレが変わり、ポイントがズレ、タイミングが合っていない」とコメントしたが、さる巨人OBによれば、「約3週間の二軍生活でも状態に大きな変化はなかった」とこう続ける。
「二軍でも真っすぐに差し込まれるなど、スイングの速さ、反応の速さ、つまり全体的にスピードが落ちている。いい頃のイメージと体の動き、反応にギャップがあり、それをどう埋めるか、処方箋が見つからず、まだ模索している段階だと聞きますからね。プロ1年目以来18年ぶりに二軍の遠征に同行するなど必死でしたが、本人はもう少し時間が欲しいというのが本音でしょう」
二軍での直近4試合では12打数4安打の打率.333。状態が上がってきた、と報じるメディアもあるが、二軍降格後の通算では34打数9安打の打率.265で、本塁打と打点はゼロだった。
7番・三塁でスタメン出場した7日の阪神戦は、同点の四回に勝ち越し適時二塁打を放ったとはいえ、安打はその1本のみで4打数1安打。「全然いい当たりではなかった」と本調子とはほど遠い。精神的支柱としてチームに安心感を与えるだけでは、主砲の穴は埋まらない。