殺人的酷暑はベテラン女子プロに追い風か…20代若手より暑さに強い“意外な要因”をフィジカルトレーナー指摘
姿勢と呼吸の相関性
5月のワールドレディスチャンピオンシップ サロンパス杯も猛暑で、暑さ慣れしていない選手たちは参っていたが、プレーオフを戦った申ジエ(37)と藤田さいき(39)は40歳に手が届く大ベテランだった。惜敗した藤田は試合後、体調不良と熱中症でダウンしたものの、若い選手ならとっくに棄権していたはずである。
20代の若手より、30歳以上の選手の方が暑さに強いのか。フィジカルトレーナーの平山昌弘氏がこう言う。
「姿勢と呼吸は相関性が高い。姿勢が悪いと酸素をつくる呼吸機能が弱くなる。姿勢を維持する背中側の筋力が不足していると、体力の低下が激しくなります。今の20代は生まれた時からパソコンや携帯があり、ゲームなどをやってきたので、全体的に姿勢が非常に良くない人が多い。30代や40代も必ずしも姿勢が良いとはいえないが、20代ほどではない。呼吸機能が弱ければ、暑さへの耐性が下がり、体力が低下しやすい。先日、サッカーの指導者と話をしましたが、若い選手は後半になると骨盤が下がって動きが悪くなるそうです。自力で歩き、長丁場を戦うゴルフも同じことがいえます」
命の危険があるほどの「暑い戦い」を制した永峰は優勝スピーチで「暑さで何度も倒れそうになる瞬間があったんですけど、たくさんの方の応援のおかげで頑張れました」と言った。若手の男女プロは酷暑対策として、まずは姿勢を見直してみるべきだ。